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2003年設立、カナダのケベック・シティに本拠を置くFrima Studioは、アニメーションやVFXだけでなく、ソーシャル/Webゲーム、バーチャルワールド、コンソールゲーム、モバイルゲームなどの制作を専門に行っているデジタル エンターテイメント スタジオだ。

アート ディレクターのKristofer Eggleston(クリストファ・エグルストン)氏と同僚のテクニカル アーティストであるÉtienne Carrier(エティエン・カリエ)氏は、Houdiniを使ってジオメトリやアニメーション、ゲームアセット、ゲームレベルなどを作成し、ゲームコンテンツをプロシージャルに生成する手法をFrimaのプロダクションパイプラインに導入した。Houdiniのノードベースワークフローにより、Frimaはゲーム制作におけるさまざまな課題に対処することができるようになった。

「既存ツールに限界を感じてHoudiniに転向したのですが、これまでのところ、どんな問題でも解決できています。」Eggleston(エグルストン)氏は言う。「最初に行ったプロダクションテスト以来、すべてが順調です。」

 

レベルモデリング ツール

新作のモバイルゲームタイトル、Lightbringers: Saviors of Raiaの制作においては、Houdiniを使い、マップレイアウトを迅速に作成できるレベルモデリングツールが開発された。各レベルの制作は、まずシンプルなカーブとカスタマイズ可能なモデルを使い、タワーや壁、フェンスなどのオブジェクトを生成することから始まる。

レベルモデリングツールには、テクスチャアトラス用のUV生成機能、レベルの床面用のタイルテクスチャのペインティングシステム、操作パスおよびグリフディスク用ツール、非表示ポリゴンの自動削除機能も含まれている。

レベルモデリングは、まずSketchUp、Illustratorまたは3DS Maxからマップレイアウトカーブをインポートし、そのカーブ内部に200万枚のタイルを敷き詰め、Noiseを使って頂点カラーを生成し、テクスチャの色にジッターをかけた。

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次に、タイルペイントツールで床面にさまざまなレンガ模様を描いた。初めにレンガタイルをランダムに配置してから、壊れたレンガタイルを描き入れ、その後一つ一つのタイルを解析して型番を決めた。この型番に基づいて任意のUV座標が割り当てられた。

 

同じ入力カーブがレベルの拡充に用いられ、胸壁など背の低いオブジェクトや、窓や壁柱、扉、柱、床といったパーツが生成された。

タワー生成システム

Lightbringers: Saviors of Raiaのゲームアセット制作の単純化と加速化を図るために開発されたもう一つのツールが、タワー生成システムだ。このツールは一度配備されれば、たった一つのHoudiniデジタルアセットから数百のデザインを生成することが可能だ。

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タワー生成システムにより、窓や扉の種類はもちろんのこと、各タワーの側面数や屋根の分割数、屋根形状や胸壁の種類、タワーの半分あるいはフルスケールのオプションなどについての制御が行える。

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つまり、このHoudiniデジタルアセットを使うことで、個々の窓に対しても、数や側面の種類、分割数、高さ、均一サイズ、位置、テクスチャ選択、テクスチャのリピートなどがパラメータによって設定可能で、窓や扉のさらなるカスタマイズが可能になるというわけだ。

 

3Dエフェクトとアニメーションの作成

Lightbringers: Saviors of Raiaでは、Houdiniによって、蛸のようなモンスターの触手のアニメーションための柔軟なシステムも構築され、やはりHoudiniデジタルアセットを作成し、触手のアニメーションの生成と制御を行った。これにより、触手の動きが完全に自動化された。

このシステムによりFrimaは、モンスターの触手の数や、触手のコントロールとメッシュの解像度、UVと頂点カラーの自動生成、ランダムのデフォメーションノイズやランダムな長さ、成長エフェクトアニメーションコントロールなどの要素を制御し、アニメーション可能なノイズパラメータを生成して、波やモンスターの触手のくねくねとした動きを表現した。最後にアニメーションにベイク処理を施し、ゲームエンジンで再生できるようにした。

 

2Dゲーム用ジオメトリのプロシージャル生成

2DゲームのChariotでは、Houdiniによって、衝突ジオメトリやアートジオメトリの生成、床や天井などの境界線のアウトライン処理、境界のペイント、そして美しいシェーディングまで施すツールを提供した。2Dゲーム向けにである。

2Dゲームのレベル制作では、まず初めに、複数の個別形状からなるレベルデザインが入力となる。すべての入力形状が自動的にマージされ、完全に連続したスプラインが生成された。

次に、ワールド空間をUV座標に生成した。アウトラインの境界を描き、境界でないレベル領域をテクスチャで埋めた。その後、境界上のポリゴンメッシュには、方向(上か下か)と位置に基づき、UV座標が割り当てられた。、ポリゴンのむきに応じて、2番目のUV座標が割り当てられた。

境界メッシュの別のレイヤーを使って、草や他の装飾物がレベルメッシュ上にペイントされた。その後、パフォーマンスの向上を確実にするため、レベルをいくつかの塊に分けてゲームエンジンが徐々に読み込めるようにした。

 

2Dゲームレベルでのコンポジティング

Houdiniに搭載されているコンポジティング ツールは、Chariotの構築に使用されたデジタルアセットに組み込まれ、フローマップテクスチャや他のマスクなどに使われた。

レベルマップデータが読み込まれた後、テクスチャが必要な部分がHoudiniアセット内で選択された。このアセットには、カメラが一つ搭載され、それにより選択部分を表すOpenGLのベクターマップがレンダリングされた。マウスを2回クリックするだけで、アセットはベクターマップとマスクマップを出力し、Houdiniのコンポジティング ネットワーク上に自動的ロードしてくれる。

フローマップの赤チャンネルと緑チャンネルが合成され、青チャンネルにマスクテクスチャが配置され、各チャンネルに異なる値のブラーとレベル補正が追加された。次いで、最終テクスチャは、そのファイル名に組み込まれたワールド空間座標情報とともにゲームエンジンへ出力され頂点シェーダに使用された。このアセットにより、ゲームのテクスチャメモリを最大限に最適化しながら、ゲームレベルの特定エリアを簡単かつ便利にレンダリングする方法を提供した。

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「このアセットは、Houdiniが私たちのパイプラインのあらゆる場面に対応できる完璧なソリューションであることを明白にするもので、非常に楽しんで使いました。」Carrier(カリエ)氏は言う。「プロシージャルなモデリングからレンダリング、エフェクト、シミュレーション、テクスチャ生成に至るまでのすべてをカバーします。たった一つのデジタルアセット内にこうしたシステムのすべてが相互接続できるのは、本当に驚くべきことです。マウスボタンのクリック一つで、ジオメトリを生成し画像をレンダリングし、それらをコンポジットした後、正しい命名法で自動的にゲームエンジンに出力できるのです。」

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Houdiniが直ちに与える影響

Eggleston(エグルストン)氏は言う。「Houdiniは私たちのゲーム開発パイプラインに導入されて間もないにもかかわらず、コンテンツ制作に対する私たちのアプローチや可能性に影響をもたらすようなアセットが、すでにいくつも開発されました。」

プロシージャルなコンテンツ制作からカスタムエフェクトの作成に至るまで、HoudiniによってFrimaは、数週間の制作期間をたったの数時間に短縮することができた。Eggleston(エグルストン)氏は、FrimaのパイプラインにHoudiniを統合して、より優れたゲームをより短期間で構築するための、新しいクリエイティブな方法を常に探し求めている。